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異業種への転職は、管理栄養士にとって新しいチャンスと成長の扉を開く選択肢です。
「管理栄養士としてのスキルを活かしながら、もっと可能性を広げたい」
「新しい働き方やキャリアに挑戦したい」
そんな思いを実現化して専門性を活かして異業種で活躍する管理栄養士が増えています。しかし、転職にはやはり不安もつきものですよね。
本記事では、3度の異業種転職をした筆者の体験談や、転職活動中の方がやりがちな失敗をもとに、転職成功のための対策方法や活かせるスキル・成功のためのポイントを具体的に解説していきます。あなたの転職活動の参考になれば幸いです。
管理栄養士の異業種転職とは?
管理栄養士の異業種転職とは、管理栄養士の専門スキルや経験を活かして異業種に転職することです。
管理栄養士の転職には、同業種や異業種を含めて大きく4つのパターンがあります。栄養士・管理栄養士の資格は、働く業界により仕事内容が変わるため、職種が変わる場合があるのです。
少しややこしいので、まずは転職を考える際の「業種」と「職種」の違いを確認しましょう。
職種:具体的な仕事内容のこと(例:栄養士・事務・営業など)
上記を踏まえたうえで、現在「病院Aの管理栄養士」として働いている場合を例に、転職パターン4つを紹介します。
<「病院の管理栄養士」が転職する4つのパターン>
番号 | パターン | 意味 | 例 |
① | 同業種・同職種 | 同じ業界で同じ仕事をする | 別の病院で管理栄養士として働く |
② | 同業種・他職種 | 同じ業界で違う仕事をする | 病院で医療事務員として働く |
③ | 異業種・同職種 | 違う業界で同じ仕事をする | ドラッグストアで管理栄養士として働く |
④ | 異業種・他職種 | 違う業界で違う仕事をする | Web業界の営業職 |
「異業種転職」の言葉は混同されて使用されがちですが、本記事では「異業種転職=管理栄養士のスキルや経験を活かして異業種で働くこと(③異業種・同職種)」として解説していきます。
管理栄養士が異業種転職をする3つの理由とは?
異業種転職を考える管理栄養士が増えている理由には、下記の3つが考えられます。
理由1:給与アップの期待
平均年収 | 390万円 |
平均月給 | 27万円 |
平均ボーナス | 68万円 |
平均年齢 | 38.3歳 |
参照:「令和5年度賃金構造基本統計調査」/厚生労働省
管理栄養士の年収は、350~400万円ほどが一般的とされており、令和5年度賃金構造基本統計調査のデータを参考にすると、平均年収は約390万円です。
一方で、国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、日本全国の平均年収は458万円であり、管理栄養士の年収は平均的な水準よりも低いことがわかります。
管理栄養士から異業種に転職して、年収アップを目指す方も少なくありません。
理由2:キャリアアップの可能性
違う分野での管理栄養士の業務を経験することで、スキルの種類が増え、経験値が上がります。お役立ちする場面が増えるため、より多くの人に影響を与えられる職場でのキャリアアップにつながるでしょう。
専門知識が深まれば、自信を持って健康情報を発信したり、指導したりできるようになります。
理由3:プライベート重視の働き方
病院や福祉施設勤務の管理栄養士は、朝昼夕の食事を365日提供し続けるために早番や遅番など不規則な勤務が多い職種です。
プライベートを充実させるために、異業種転職により土日祝休みや柔軟な働き方が可能な職場を目指す方も多くいます。
管理栄養士の異業種転職で活かせるスキルとは?
献立作成や給食だよりの作成などで培った基本的なパソコンスキルはもちろんのこと、管理栄養士の専門性は異業種の職場でも評価される要素がたくさん。未経験の業界でも強みとして活かせる場面が多いスキルを3つ紹介します。
スキル1:栄養学や食品の専門知識
食品に含まれる栄養素や、栄養と健康の関係に関する知識は、健康的な生活を送るために重要です。多くの需要があり、食品メーカーやサプリメント業界・エステサロンや美容クリニック・アスリートの栄養サポートなど、食品や美容・健康・スポーツに関わる業界で役立ちます。
スキル2:コミュニケーション力
病院や福祉施設・学校などで栄養相談や指導を行うには、優れたコミュニケーション力が必要です。例えば、相手の生活や食事の習慣。好み・価値観を「聞き取る力」、相手の話に耳を傾けて理解する「傾聴力」、一人ひとりに合った食事のアドバイスをする「伝える力」が求められます。
また、給食管理では、調理スタッフにレシピを伝えたり衛生管理を指導する場面が多く、コミュニケーション力が自然と身に付くものです。
コミュニケーションスキルは異業種の職場でも重要であり、高く評価されます。
スキル3:管理能力と事務処理
管理栄養士は、食材や衛生用品の発注管理や在庫管理・調理員さんのシフト管理といった管理業務をこなしています。細かな配慮が必要とされるため、一般企業での管理業務でもにも応用できます。
管理栄養士の経験が活かせる異業種の職種・分野とは?
管理栄養士の専門知識や経験が活かせる異業種転職の職種や分野を紹介します。
食品メーカー(品質管理や商品開発)
食品メーカーは、自社で製造した食品を消費者に販売する企業です。豆腐や乳製品・菓子・飲料・健康食品など多岐にわたる商品を取り扱い、原材料の仕入れから製造・流通までを担当して「安心・安全でおいしい食品」を提供し、人々の生活を支えています。
大手から中小企業まで幅広く存在し、研究職・商品開発・生産技術・営業職などの多部署があるのが特徴です。給与は部署により大きく異なり、より専門性が必要とされる研究職で高給な傾向があります。
仕事内容 | 研究、商品の企画・開発、栄養知識を活かした市場調査、特許資料作成、顧客対応など |
給与の相場 | ※約250万円~550万円 |
向いている人 | ・食への興味や探求心がある人 ・味覚や嗅覚が鋭い人 ・責任感がある人 |
参照:「令和4年分 民間給与実態統計調査」/国税庁、「管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査 表 8.職域別年収」/厚生労働科学研究成果データベース
食・ウェルネス関連のマーケティング職
管理栄養士の専門知識を活かして、健康食品やサプリメント・栄養補助食品といったヘルスケア商品の企画立案や、売り方の戦略を考えるプロモーションに貢献する仕事です。SNSや自社サイト・メディア・講演会などを通して栄養に関する情報発信を行います。
栄養の専門性を活かしたマーケティング職の平均年収は500~600万円が一般的とされ、他業界と比較するとやや高めです。企業規模や商材により報酬の大小はありますが、年収1000万円を大きく上回る人もいる夢のある業界です。
仕事内容 | 商品企画・開発サポート、SNS・ブログ・セミナー等での発信や栄養教育、ブランディング、顧客リサーチなど |
給与の相場 | ※645万円 |
向いている人 | ・数字や分析が得意な人 ・発想が豊かな人 ・新しい情報を常に取得できる情報感度の高い人 |
参照:※「令和5年度 賃金構造基本統計調査」/厚生労働省
食やウェルネス関連のメーカーの営業
食品メーカーや製薬メーカー・医療機器メーカーといったウェルネス分野における営業職として転職する方もいます。大手企業では、研究職や技術職・開発職での採用であったとしても、はじめの1~3年間は営業や工場の管理部に配属される場合も多いようです。
仕事内容 | 得意先への交渉、CMやネット・SNSでの広報活動、商品の規格書作成など |
給与の相場 | ※400万円~450万円 |
向いている人 | ・打たれ強い ・コツコツ努力ができる ・成長意欲が高い |
参照:※「営業の年収はいくら? 給料についてくわしく解説」/キャリアガーデン
ヘルスケアIT業界(アプリ開発やユーザーサポート)
ヘルスケア業界は、デジタル化が進んでおり、日本では2007年に開発されたAI食事管理アプリ『あすけん』を筆頭に多くの健康管理アプリが普及しています。
管理栄養士は、アプリユーザーに正確で実用的な栄養情報を提供する役目があり、食事記録機能の監修や栄養評価基準の設定・健康増進のためのアドバイスコンテンツの作成などがおもな業務です。
アプリを通して時間や場所を選ばず、多くの人に正しい栄養の知識が届けられる現代的な職業といえます。
仕事内容 | 食事記録機能の監修、栄養評価基準の設定、新機能や改善点の提案、栄養アドバイスコンテンツの作成・企画立案・セミナー・クライアント対応など |
給与の相場 | ※250万円~330万円 |
向いている人 | ・柔軟な発想力がある人 ・食に対して探求心がある ・最新知識の勉強ができる |
参照:※「商品開発に向いている管理栄養士の特徴や年収相場は?」
異業種転職で管理栄養士が注意すべき4つのポイントとは?
異業種転職に成功するために注意すべきポイントも押さえておきましょう。
注意点1:給料だけを求めすぎない
高収入に魅力を感じても、業務の過酷さやワークライフバランスが犠牲になる可能性があります。仕事内容や職場環境・人間関係なども考慮し、総合的に判断しましょう。
仕事の大変さや責任の重大さと給料は、ある程度比例すると感じます。私が給食委託会社で休日出勤して残業もしていた頃は、確かに給料は増えました。しかし、家族との時間がとれず……。稼いだお金は「こんなに頑張ってるんだから!」とストレス発散のために浪費していましたね。高給ではなくとも、パートでやりがいを持って価値観の合う職場で働いたたほうが満足感が高かったです。
注意点2:ライフステージを考慮する
「仕事が生きがい」という方もいるかと思いますが、生活の基盤は自分に近い家族やパートナーの存在が大きいでしょう。
仕事以外のプライぺートや結婚・出産・育児・介護でのあなたの役割も重要です。体調や家庭との両立を考慮して職場を探しましょう。
結婚・出産・育児を経験してきましたが、家族が増えると、だんだんプライベートと仕事との両立が課題になってきます。仕事は成果が見えやすいので頑張り甲斐があります。しかし、「あの時もっと子供と遊んでおけば良かった」「親孝行しときゃ良かった」と後悔しないためにも、「今は仕事に注力」「今はセーブ」などメリハリをつけるのも大事ですよね。
注意点3:家族の理解を得る
家庭を持っている場合、転職すると生活に大きく影響を与えます。転職の際は家族としっかり相談し、理解と協力を得るよう努めましょう。家族の理解があれば新しい職場でも安心して働ける環境が整います。
じつは、私は激務が原因でうつ病になった経験があります。当時、1歳の子どもがいたので、我が家にとっては仕事よりも私の心の健康を取り戻すのが重要でした。
そのため、家族と相談をして「短時間勤務・パート・土日祝休み」の職場を条件に転職先を探しました。おかげで無理なく働けましたよ。
注意点4:企業の方針に共感できるかを確認する
給料や福利厚生が良くても、企業の方針や理念に共感できなければ長続きしません。インターネット上にある口コミやホームページに掲載されている社員インタビューをみて、企業の価値観や雰囲気が自分に合っているかを確認し、働きやすい環境を選びましょう。
管理栄養士の転職活動の進め方
管理栄養士が異業種転職をする方法は、おもに下記の5つがあります。
①ハローワーク(公共職業安定所)
②インディード
③自治体のWEBサイト
④企業の採用ページ
⑤転職エージェント
管理栄養士が異業種転職で陥りがちな4つの失敗例と解決策
転職を考え始めた管理栄養士が、ついやってしまいがちな失敗例も知っておきましょう。あなたは同じミスをしないようにしっかりと対策してくださいね。
失敗例1:自己分析不足
自分の強み・弱みを把握せずに転職すると、「この仕事は私には向いてなかった……」とミスマッチが起きやすいです。
失敗例2:期待値のミスマッチ
新しい職場に過度な期待を持つと、実際の業務とのギャップに苦しむことが多いです。
理想を明確に持ったり、こだわりが強すぎるたりするのはじつはとっても危険。少しでも意にそわない点があると、一気に不信感につながるケースもあります。恋愛と一緒で「理想の相手」の良い面だけみて好きになった場合、少し欠点が見えると一気に冷めてしまう現象と似ていますね。良い面でなく、悪い面もリサーチしたうえで、許容できる職場に応募しましょう。
失敗例3:適応力不足
新しい職場や職場の文化にうまく適応できないと、居心地の悪さから早期退職につながる傾向があります。
とはいえ、新しい職場に飛び込んだ直後は誰もが新人。先輩からの風当たりが強く感じたり、新しい業務に慣れなかったりで戸惑いの連続ですよね。
私も適応力不足を自覚することが何度もありました。そんな方には、在宅ワークがおすすめです。人との関りが一切ないわけではありませんが、自宅で自分のペースで働けるのは快適ですよ(^^)/
失敗例4:準備不足
スキル習得や履歴書の整備・面接対策が不十分で、希望の職に就けないケースがあります。
私も、独学で転職活動をしたので、正解がわからないまま履歴書を作成し、面接に挑んでいたので、結果はボロボロでした……。転職のプロの方に書類の添削や面接対策をしてもらっていれば、もっとスムーズに転職できただろうと思っています。
お金をかけずに、最小限の労力で転職したい方は、下記も要チェックですよ↓
3度の異業種転職をした管理栄養士の体験談
筆者である私emimiも、異業種転職をした一人です。私の経歴をざっくりとお話しますと、下記のように3度の異業種転職をしています。
<筆者emimiの経歴>
↓
給食委託会社・正社員栄養士
(3年目に管理栄養士取得)
↓
病院・非常勤管理栄養士
↓
保育園・正社員管理栄養士
↓
ライター・管理栄養士(個人事業主)
例えば、給食委託会社では下記のスキルを習得できました。
給食管理・調理補助・シフト作成・チーフ業務・基本的なパソコン作業
1度目の転職:給食委託会社→直営病院
9年勤めた給食委託会社から病院に転職した際は、自己流で転職活動をしたので、結果はボロボロでした。書類選考で落とされるケースもありましたし、自信がないまま面接に行き、やはり不合格。その連続で8社から不採用の通知が届きました。
転職先の病院での業務は、栄養指導に関われるやりがいが強く、刺激的でした。非常勤だからこそ時間の融通が利きますし、土日祝も休みで、プライベートとの両立がしやすかったです。
給食管理・栄養指導
2度目の転職:直営病院→保育園
前職の退職理由が「通勤時間が長いこと」が一因だったので、職場が近い職場を中心に転職活動しました。以前は「会社は長く務めるべき」といった固定概念があり、転職という選択肢はほとんど考えたことがなかったのですが、1度転職をして「働く場所は1つじゃない」と思えたのがきっかけで、私の中での転職のハードルがグンッと下がり前に進めたと感じます。
2度目の転職はスムーズでした。転職先はスタートアップの保育園だったので、給食管理の経験が豊富で、交通費を支給する必要がないという点が、先方のニーズとマッチしたのだと思います。
保育園は、子どもたちの明るい声が響く雰囲気が魅力の1つで、大量調理の経験が積めたのも財産です。1人で約40名分の食事やおやつを作る日々は楽しかったし、「作業の効率化」を試行錯誤する癖もつきました。おかげで、現在も家族5人分の食事を朝に仕込んで、時短調理に役立っています。
給食管理・調理業務・統括業務・マニュアル作成
3度目の転職:保育園→ライター
保育園へ従事中に取得した育児休暇中に、管理栄養士ライターの働き方を知り、勉強をスタート。職場復帰後には、数カ月間の副業を経験しました。副業中に本業程度稼げたため、思い切って独立の道を選択。
会社に頼らず稼ぐのは簡単ではありませんが、やりがいのあるお仕事です。基本的にコミュ障なので、自宅で作業できる点も自分に合っていると感じています。
基本的な文章力・薬機法・Word・Excel・Canva・ワードプレス・レシピ写真撮影など
異業種転職は管理栄養士のキャリアの可能性を広げるチャンス
異業種への転職は、管理栄養士のスキルや経験を異なる分野で活かして新たなキャリアの可能性を広げるチャンスです。高い専門性を持つ管理栄養士だからこそ、多くの人の健康や生活に貢献できる場がたくさんあります。
異業種に一歩踏み出せは、今までにない充実感や新たなやりがいを感じられるでしょう。転職の不安や迷いを乗り越え、あなたらしいキャリアの一歩を踏み出してください。転職活動が、あなたの理想に近づく大切なステージとなることを願っています。
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