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管理栄養士のキャリア形成は、いくつもの選択肢があります。「今の職場に馴染めない」「業務にやりがいを感じない…」そんな人も大丈夫。あなたが自分らしく輝ける場所は必ずあります。まずは、どのような道があるのかを知るところからスタートしましょう。
本記事では、管理栄養士のキャリアの選択肢をご紹介します。3度の転職を経験してきた私emimiの体験談や、他業種転職の事例をお伝えします。参考にしてくださるとうれしいです。
管理栄養士のキャリアには大きく2つの道がある
現在管理栄養士として働いているあなたが、これからキャリアを築いていくには「管理栄養士の資格を活かす道」と「他業種に転職する道」の2つがあります。
一度きりの人生。選ぶのはあなたの自由です。それぞれの道へ進む場合、どのような仕事があるのかを、実例を交えて紹介していきます。
管理栄養士の資格を活かす
管理栄養士の資格を活かして働くパターンです。一言に「管理栄養士」といっても活躍の場は多岐に渡ります。一つの就職先で管理栄養士としての専門性やスキルを極める人や、違う分野の管理栄養士職に転職する人などさまざまです。
他業種へ転職する
管理栄養士の資格を使わなくとも経験を活かして、まったく別の業種に転職をする人もいます。資格にとらわれず、自分の理想的な働き方を実現するために必要な場合もあるでしょう。
いったん他業種に転職したとしても、管理栄養士として再就職する道もあります。
管理栄養士の資格を活かしたキャリアを進んでいる私の事例
はい。私は2年間の栄養士の実務経験を経て、管理栄養士資格を取得しました。その後は、ずっと資格を活かしたお仕事で収入を得ています。栄養士資格取得後から今までの私のキャリアをざっくりご紹介しますね。
(親より年上世代の調理スタッフと一緒に精神科病院の厨房業務。若手で体力があるので重宝がられる。安月給ながら天職だと思っていた)
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●2年間の栄養士実務経験を経て、管理栄養士国家資格に合格
(管理栄養士資格手当3万円が上乗せ。介護施設にチーフとして異動。給食管理全般を担う)
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●その後、約1年おきに6か所の事業所に異動
(精神科病院2か所・障がい者施設・介護施設3か所でのチーフ業務・給食管理全般を担う)
※その間、結婚と2度の産休・育休をいただいています
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●直営病院管理栄養士(非常勤)に転職
(「栄養相談をしてみたい」という憧れを叶えて日々勉強。しかし、往復2時間の通勤と低収入がネックで1年で退職)
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●保育園管理栄養士に転職
(子育て・家庭との両立を重視して、自宅から徒歩10分の保育園に正社員入社。離乳食・アレルギー食・幼児食・職員食の調理・発注・イベント食の献立作成・洗浄などを担う)
※その間、1度の産休・育休をいただいています
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●副業で管理栄養士ライターデビュー
(「管理栄養士の資格を活かしつつ在宅で働きたい」と思い、副業でライター活動を開始)
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●管理栄養士ライターとして独立
(正社員と同等以上の安定収入が得られるようになり、晴れて在宅ワーカーに)
他業種へ転職してキャリアを進んでいる人の事例
管理栄養士の資格にとらわれず別の業種に転職してキャリアを進んでいる人もいます。
●管理栄養士からWebエンジニアへ転職
(前略)専門学校を卒業し、病院で管理栄養士として食事の提供をしていました。
その後、IT業界に転職しヘルプデスクを経験(中略)ヘルプデスクからエンジニアにキャリアアップし、最終的には設計から開発・運用まで全ての行程を手掛けることができるフルスタックエンジニアを目指しています。
(中略)
業務効率が上がったとお客様先から感謝されるととても嬉しいですね。(後略)
引用:栄養士を辞めて未経験からエンジニアを目指す話/LLL inc.
ご紹介したキャリアはあくまでも一例です。資格を活かすにしろ他業種へ行くにしろ、実際にどのような選択肢があるのかを見ていきましょう。
管理栄養士の資格を活かしたキャリアの選択肢
管理栄養士の資格を活かしたキャリアの選択肢は、おもに以下の3つです。
②同業種転職(会社員)
③フリーランス
それぞれ、詳しく解説します。
①専門分野の資格を取る
管理栄養士が、食に関する+αの資格を取得することで、キャリアアップが狙えます。
例えば、以下の認定や資格があります。
(2)認定資格 糖尿病療養指導士
(3)その他の食に関する民間資格
(1)「栄養士会の認定資格」を取る
公益財団法人日本栄養士会が栄養士や管理栄養士のキャリア支援を目的に設けている3つの認定制度は以下のとおりです。
<認定制度1>
以下の専門分野における「栄養指導」を責任をもって実践できるレベルだと認める制度です。
一定の条件をクリアすると、以下の認定を受けられます。
・認定管理栄養士
・認定栄養士
<認定制度2>
特定の分野での「実践活動」において、優れた成果を出せる管理栄養士だと認定する制度です。
一定の条件をクリアすると、以下の認定を受けられます。
・特定保健指導担当管理栄養士
・静脈経腸栄養(TNT-D)管理栄養士
・在宅訪問管理栄養士
・公認スポーツ栄養士
・食物アレルギー分野管理栄養士・栄養士
・小児栄養分野管理栄養士・栄養士
<認定制度3>
さらに「専門分野を極めてスペシャリストを目指したい」管理栄養士向けに、以下の5つの認定制度を定めています。
・がん病態栄養専門管理栄養士
・腎臓病病態栄養専門管理栄養士
・糖尿病病態栄養専門管理栄養士
・摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士
・在宅栄養専門管理栄養士
(2)「認定資格 糖尿病療養指導士」を取る
日本糖尿病療養指導士は、一般財団法人日本糖尿病療養指導士認定機構による認定資格です。(栄養士は受験資格がありません)
糖尿病患者さんのセルフケアに関する高度かつ幅広い専門知識が養われます。
「病院内の糖尿病チームのメンバーに選抜」といったキャリアアップにつながるケースもあるようです。転職の際にもアピールポイントになります。
病院では、専門資格を取得している管理栄養士の先輩が多かったですね。糖尿病療養指導士の2022年度の合格率は96%!
仕事の休憩中や帰宅後の30分といった隙間時間を活用して糖尿病療養指導士の勉強をしている方もいます。
(3)「その他の食に関する民間資格」を取る
年々、食に関する民間資格が充実してきています。
例えば、下記は通信講座で取得できる資格です。
・食育インストラクター
・幼児食インストラクター
・乳幼児食指導士養成講座
・薬膳マイスター
・スポーツ栄養スペシャリスト など
栄養士・管理栄養士受験とは違う角度で食の知識が深められるので、より専門的なアドバイスができるようになり、職場への貢献度がアップするでしょう。
また、自分でスキルアップを目指している姿勢は、社内での評価につながるはずです。
受講料も10万円以下の資格が多く、現役だけでなく、ブランクのある栄養士・管理栄養士の方も挑戦しやすいのが特徴です。
受講期間は、3カ月~6カ月ほどと講座によりさまざまですが、通信講座なのであくまで目安です。
どんどん進めれば1ヶ月で終わることも可能ですし、のんびり1年ほどかけて取り組むこともできます。
通信講座は独学ではありません。専任講師のきめ細やかなマンツーマン指導があり、疑問・質問はEメールやFAX、専用カードで解決できます。
講座によりDVDやCDなどの副教材も充実しているので、自宅で好きな時間に取り組めるでしょう。
ほかにも、スマホ1台あれば最短1週間で資格が取れる以下の資格もあります。
・アスリート栄養管理アドバイザー
・オンライン食育栄養士
仕事の休憩中や通勤時間に効率よく勉強ができるので、忙しい管理栄養士に向いています。
27,800円(税別)でスキルアップが目指せるコスパのよい資格です。
認定や資格を取得するメリット
栄養士・管理栄養士が認定を取得するおもなメリットをご紹介します。
・患者様や職場での信頼性が増す
・昇格や給料アップが狙える
・より専門的な栄養に関するアドバイスができる
認定や資格を取得するデメリット
質の高い管理栄養士として認定を受けるには、それなりの経験や勉受験料強・お金が必要です。栄養士・管理栄養士が認定を受けるおもなデメリットをご紹介します。
栄養士会の認定資格 | 日本糖尿病療養指導士 | 食に関する民間資格 | |
受験料がかかる |
非会員:55,000円 |
22,000円 |
10万円以下の資格が多い |
更新が必要 | 5年更新 更新料:非会員27,500円 会員 11,000円 |
5年更新 |
– |
実務経験が必要 | 栄養士・管理栄養士の実務経験が積算5年以上 | 過去10年以内に2年以上継続して勤務し糖尿病患者の療養指導業務に従事した方で、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導経験がある | 特になし |
その他 | 日本栄養士会の研修に参加し、単位取得が必要 | 糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること | 特になし |
学会への参加や発表の経験が必要 | 講習(eラーニング)の受講が必要 | 通信講座の受講が必要 |
※上記にある金額は、すべて税込価格で表示しています。
②同業種転職(会社員)
近年、管理栄養士として活躍する場が増えています。おもな就職先は以下のとおりです。
<給食会社(受託)>
管理栄養士の就職先として需要が高くポピュラーです。受託の給食会社は、給食管理をクライアントから委託されています。おもな勤務先は以下の給食施設や食堂です。
・介護施設
・学校や保育園・幼稚園
・一般企業 など
私は、新卒から9年ほど勤めました。病院・介護施設・障がい者福祉施設といった事業所8か所でチーフを経験。いろいろな現場を経験できるのは、受託給食会社の強みだと思います。入院施設のある病院や介護施設では365日給食を必要としているので、土日祝・年末年始も出勤する場合がありますね。
<医療施設>
「食の力で医療に携わりたい」管理栄養士におすすめです。患者様の健康や命に関わるので、正しい専門知識を要します。患者様や医療スタッフとのコミュニケーションが盛んです。チームワークも求められます。
・クリニック
・歯科医院 など
非常勤で病院管理栄養士の経験もあります。糖尿病の食事相談がおもな業務内容でした。ほかにも入院患者様へのミールラウンドや回診の同行なども経験。研修や学会に積極的参加してスキルアップに励む先輩管理栄養士さんが多かったです。患者様の死と向き合う機会もあるので、高い専門知識と精神力が必要だと感じました。
<介護福祉施設>
利用者さんの「食の楽しみ」を担う職場です。体が思うように動かなくなってきて「毎日の食事が一番の楽しみ」と感じている利用者さんが多くいます。
看護師や介護スタッフとの連携のもと、飲み込みやすいきざみ食やムース食など食形態の工夫が必要です。
給食管理業務を委託している場合は、委託側の栄養士・調理スタッフへの指示・コミュニケーションも必要になります。
<調剤薬局・ドラックストア>
店頭でお客様の栄養相談を行い、食事や生活習慣のアドバイスをします。
管理栄養士業務だけでなく、商品の陳列やレジ対応も多いです。
「新卒や未経験OK」の求人が多数。
「登録販売者の有資格者」は歓迎される傾向があるようです。
<保育園・幼稚園>
子どもや食育に関心がある管理栄養士に適しています。0歳児から受け入れている保育園の場合は、離乳食の調理・献立作成も必要です。細やかなアレルギー対応や衛生管理が求められます。イベント時の食育授業やイベント食の調理、時には保護者からの栄養相談にのる場合もありますよ。
私は、園児30名ほどの保育園に勤めました。職員10名ほどの給食も含めた昼食、園児のおやつの調理がおもな業務内容。そのほか、食材の発注や検収・切り込み・洗浄・掃除・イベント食の献立作成などを一人で行っていました。
調理室に子どもたちが遊びに来てくれたり、園児の明るい声が聞こえてきたりと和やかな雰囲気が楽しかったです。新規立ち上げの保育園だったので、衛生マニュアルの作成などもしましたよ。
<学校>
学校で働く管理栄養士は、「栄養教諭」と呼ばれます。先生と連携して生徒たちに対して食指導をしたり、生徒個人の肥満や偏食を食指導したります。家庭や地域と協力してイベントを企画する場合もあります。学校給食の管理も大切な業務の一つです。
栄養教諭として働くには、栄養教諭普通免許が必要です。「専修」「一種」「二種」の3種類があり、いずれの資格を取得しても栄養教諭として働けますよ。
私は、短大時代に栄養教諭二種免許を取得しました。実務経験はありませんが、教育実習の経験があります。2週間子どもたちと過ごし、食育の授業をしました。素直な子どもたちのリアクションに助けられたり、感動する場面が多かったです。
<公務員>
公務員の管理栄養士は、1施設における配置人数が少なく、離職率も低いので競争率が高いです。おもな就職先は下記があります。
・病院
・保健所や保健センター
・刑務所
・自衛隊 など
<食品メーカー>
「研究開発や商品開発に携わりたい」管理栄養士に適しています。企業により事業内容はさまざまです。(サプリメント・独自製品・ドリンク剤・お弁当・離乳食など)
業務内容も、メニューの企画やレシピ化・商品設計・ブランド名の立案など多岐にわたります。好待遇である場合が多く、さらなるキャリアアップも狙えるでしょう。
同業種転職(会社員)のメリット
会社員の管理栄養士として転職するおもなメリットは以下のとおりです。
・管理栄養士の経験が積める
・「食」で社会貢献できる
・社会勉強になる
同業種転職(会社員)のデメリット
会社員の管理栄養士として転職するおもなデメリットは以下のとおりです。
・土日祝日も勤務の可能性がある
・ネイルやヘアスタイルに制限がある場合が多い
③フリーランス
管理栄養士の資格を活かしつつフリーランスになる選択肢もあります。
なかでも、管理栄養士がフリーランスとして始めやすいのが「Webライター」です。
Webライターとは、Webサイト上の記事を書く仕事で、副業の人もいれば、専業で活動している人もいます。
私は、専業の「管理栄養士ライター」として活動しています。管理栄養士の資格を活かして、健康コラムを執筆することが多いです。たまに、まったく管理栄養士とは関係のない分野の記事を書く場合もあります。
管理栄養士ライターのメリット
管理栄養士ライターとして働くメリットは、以下のとおりです。
・在宅なので、人間関係に悩まない
・出勤しなくていい
・自由な時間に仕事できる
・平日の空いた時間に外出できる
・在宅なので、子どもに「おかえり」がいえる
・ネイルやヘアスタイルが自由に楽しめる
・新しい栄養の情報が得られる
・文章力の訓練が、コミュ障の改善につながる
子どもに働いている姿を見せられるので、子どもが感謝してくれたり、自主的にごはんづくりや皿洗いなどお手伝いをしてくれるようになりました(^^)/
管理栄養士ライターのデメリット
管理栄養士ライターとして働くデメリットは、以下のとおりです。
・初心者のうちは低単価でキツイ
・運動不足になりやすい
・時間管理が難しい
最初のうちは、時給換算で100円以下なんてこともザラです…。
本当に辛かった。
でも、続けているうちに、スキルがついて報酬も見合うようになっていきましたよ。運動不足にもなりやすいので、ストレッチや運動の時間を作らないと不健康になるので要注意です。
他業種への転職でキャリアを進んでいくなら
基本的に、転職活動において採用する側が求めているのは即戦力です。管理栄養士としての経験が活かせる職場への転職が現実的でしょう。本人のやる気次第で、どんな仕事にもチャレンジできますが、事務職が多い印象です。
<事務職>
管理栄養士は、パソコンを使った事務作業が多いので、基本的なパソコンスキルが活かせます。管理栄養士業務で鍛えられる責任感やコミュニケーション能力も強みになるでしょう。
<その他>
管理栄養士のスキルを活かせる転職先は、「飲食店」「寮母さん」などいろいろとあります。
自分の趣味や得意を活かした転職先もあるでしょう。
異業種への転職のメリット
異業種への転職のおもなメリットは、以下のとおりです。
・好きや得意が活かせる可能性がある
・待遇アップの可能性がある
異業種への転職のデメリット
異業種への転職のおもなデメリットは、以下のとおりです。
・待遇ダウンの可能性がある
私も、管理栄養士ではなく「近所のパン屋さんで働いてみたいな」と思ったこともありました。しかし、結局「資格を活かしたい」との思いが強くて諦めました。。
他業種への転職は、勇気がいりますよね。
・転職に詳しい人に相談する
・異業種へ転職した体験者に相談する など
時間をかけて慎重に考えるのがおすすめです。
転職のプロに相談してみたい方は、で詳しく解説しています。
まとめ
管理栄養士のキャリアは、実に多岐に渡ります。資格を活かすも、資格にとらわれずにキャリア形成するのもあなたの自由です。今の職場に不満や不安がある場合は、より自分の価値観に合う働き方を実現するために、一歩踏み出してみるとよいでしょう。
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