※本記事は、プロモーションを含みます。
管理栄養士の平均年収は約390万円とされていますが、これが高いのか低いのか、現場で働く方々の実感はさまざまです。
本記事では、年齢別・地域別・職域別の収入データを詳しく紹介し、さらに筆者自身の経験談を交えて、管理栄養士のリアルな年収事情やキャリア設計のヒントをお届けします。生涯年収の計算や男女別の収入差、ボーナスの実態についても解説し、やりがいと収入のバランスを見直すための材料を提供します!
- 栄養士(管理栄養士も含む)の平均年収は「約390万円」
- 栄養士(管理栄養士も含む)の年齢別の平均年収は?
- 栄養士(管理栄養士も含む)の平均月給は「約27万円」
- 栄養士(管理栄養士も含む)の平均ボーナス額は?(リアルな明細書も公開)
- 栄養士(管理栄養士も含む)の都道府県別平均年収ランキング(月収・ボーナスも)
- 栄養士(管理栄養士も含む)の企業規模別の年収・月給・ボーナス推移
- 栄養士(管理栄養士も含む)の男女別の平均年収・月収・ボーナスは?
- 管理栄養士の職域別の平均年収ランキング
- 管理栄養士の最終学歴別の平均年収は?
- 栄養士・管理栄養士の平均的な初任給は?
- 栄養士(管理栄養士も含む)の生涯年収は「1億9780万円」
- あなたらしくキャリアアップを目指そう
栄養士(管理栄養士も含む)の平均年収は「約390万円」
令和5年の賃金構造基本統計調査によると、栄養士(管理栄養士も含む)の平均年収は、約390万円でした。
3年前と比較して16万円アップしており、月収で換算すると約1万3,000円の増加です(賞与を考慮しない場合)。
しかし、物価の上昇や税負担の増加もあるため、年収アップを実感している管理栄養士は少ない様子↓。
自分の職場の求人みてたら
管理栄養士の給料少ねぇってなってる。
リハビリ系のhttps://t.co/8zydLahHWS.OTとそもそものスタートラインが違いすぎる。1人しかいない職種なんだから給料上げて大切にして?— キヌ@老健管理栄養士 (@kinu_kanei) May 25, 2024
同調査によると、日本の民間企業に勤める正社員の平均年収は約432万円でした。つまり、栄養士・管理栄養士は、ほかの職業よりも年収が低い傾向があるのです。
栄養士(管理栄養士も含む)の年齢別の平均年収は?
令和5年の賃金構造基本統計調査によると、栄養士(管理栄養士も含む)の年齢別の平均年収は、上記のように推移しています。
・25~29歳:約343万円
・30~34歳:約377万円
・35~39歳:約401万円
・40~44歳:約405万円
・45~49歳:約440万円
・50~54歳:約459万円
・55~59歳:約548万円(ピーク)
より詳細な年齢別の年収や平均月収やボーナスなどは
「【年齢別に公開】管理栄養士&栄養士の年収や手取り・ボーナス 他業種との時給比較や学歴差は?」
にてご紹介しています。栄養士(管理栄養士も含む)の平均月給は「約27万円」
令和5年のハローワーク求人統計データによると、栄養士(管理栄養士も含む)の平均月収(求人賃金:月額)は、約22万円でした。一方で、令和5年の賃金構造基本統計調査による全国平均の栄養士(管理栄養士も含む)月給は約27万円と統計されています。
月給から所得税や住民税・社会保険料などを控除した金額が手取り額になります。一般的に手取りは 約75%~85% になるとが一般的です。控除される割合は約15%~25%であり、手取りは約20万円になるケースが多いようです。
筆者である私の給食委託会社に勤めていたころの実際の給与明細を
「管理栄養士の年収が高い職場トップ3!私のリアル給与明細も公開」
にて赤裸々に公開しています。1年目と8年目の比較をしているので、昇給や手当にどんな変化があるかもわかるので、参考にしてみてください。栄養士(管理栄養士も含む)の平均ボーナス額は?(リアルな明細書も公開)
「月収が安い」と叫ばれる管理栄養士ですが、ボーナスはどうでしょうか?全国平均と、筆者のリアルなボーナス明細をみて検証してみましょう。
栄養士・管理栄養士の平均ボーナス額は?
「令和5年賃金構造基本統計調査」による栄養士(管理栄養士を含む)の平均ボーナス(賞与)は、約68万円です。
私が新卒で入社した給食委託会社での初めてのボーナスは、入社後1年未満だったので、確か1万円くらい?だったような。同時期に栄養士養成学校に就職した同期の友人が「10万円ほど初ボーナスが入った!」と言っていて、ショックを隠せませんでしたね(^^;)
「給食委託会社」2年目栄養士のリアルなボーナス明細書
筆者が以前正社員として勤めていた給食委託会社では、ボーナスが6月と12月に出ていました。さらに、世帯主の場合は、10月に暖房費の支給もあります。入社2年目当時の実際の明細を確認してみましょう。
・毎月の基本給:127,200円
<ボーナス(賞与)>
・6月:127,200円×1.5か月分=190,800円
・12月:127,200円×1.6カ月分=203,520円
合計:394,320円(3.1カ月分)
<暖房費>(世帯主のみ)
・10月:45,000円1年間のボーナス+暖房費の合計
397,320円+45,000円=442,320円
栄養士の年収やボーナスは、お住いの地域によっても大きく異なります。つぎは、都道府県別の平均年収を見ていきましょう。
給食委託会社のボーナス事情や待遇については下記にて説明しています↓
「2024年【元委託栄養士執筆】給食会社8社の働きやすさ徹底比較!給料や特色に合ったおすすめな人も紹介」
栄養士(管理栄養士も含む)の都道府県別平均年収ランキング(月収・ボーナスも)
令和5年の賃金構造基本統計調査をもとに栄養士(管理栄養士も含む)の都道府県別年収を高年収な順番でランキングにしてみました。月給とボーナス(賞与)についても併記しています。あなたのお住まいは何位ですか?
<栄養士(管理栄養士も含む)の都道府県別の年収ランキング|月給・ボーナスも掲載>
順位 | 地域 | 年収(万円) | 月給(万円) | ボーナス(万円) |
平均 | 全国 | 390 | 27 | 68 |
1 | 和歌山 | 470 | 32 | 86 |
2 | 愛知 | 445 | 30 | 84 |
3 | 東京 | 436 | 30 | 74 |
4 | 長崎 | 425 | 29 | 75 |
5 | 新潟 | 425 | 28 | 85 |
6 | 大分 | 421 | 27 | 95 |
7 | 神奈川 | 420 | 30 | 64 |
8 | 大阪 | 419 | 29 | 71 |
9 | 福島 | 416 | 28 | 84 |
10 | 山口 | 408 | 27 | 79 |
11 | 佐賀 | 399 | 27 | 78 |
12 | 茨城 | 397 | 28 | 61 |
13 | 山梨 | 395 | 28 | 54 |
14 | 埼玉 | 395 | 28 | 64 |
15 | 三重 | 394 | 28 | 63 |
16 | 宮崎 | 391 | 25 | 94 |
17 | 静岡 | 390 | 27 | 71 |
18 | 群馬 | 390 | 26 | 78 |
19 | 奈良 | 388 | 26 | 73 |
20 | 広島 | 386 | 27 | 65 |
21 | 沖縄 | 384 | 27 | 66 |
22 | 島根 | 383 | 26 | 71 |
23 | 香川 | 383 | 26 | 71 |
24 | 岩手 | 381 | 26 | 67 |
25 | 愛媛 | 379 | 25 | 78 |
26 | 栃木 | 377 | 26 | 67 |
27 | 石川 | 375 | 25 | 79 |
28 | 福井 | 372 | 25 | 75 |
29 | 兵庫 | 370 | 25 | 70 |
30 | 高知 | 369 | 25 | 70 |
31 | 福岡 | 365 | 25 | 65 |
32 | 岐阜 | 363 | 24 | 75 |
33 | 長野 | 361 | 25 | 63 |
34 | 千葉 | 360 | 25 | 57 |
35 | 岡山 | 360 | 23 | 80 |
36 | 富山 | 357 | 25 | 60 |
37 | 北海道 | 353 | 24 | 60 |
38 | 秋田 | 352 | 25 | 55 |
39 | 京都 | 350 | 25 | 49 |
40 | 熊本 | 346 | 23 | 65 |
41 | 山形 | 342 | 24 | 50 |
42 | 滋賀 | 341 | 24 | 48 |
43 | 宮城 | 336 | 24 | 52 |
44 | 鳥取 | 333 | 23 | 52 |
45 | 鹿児島 | 333 | 23 | 58 |
46 | 徳島 | 308 | 22 | 48 |
47 | 青森 | 278 | 20 | 40 |
参照:「令和5年賃金構造基本統計調査」/厚生労働省をもとに作成
一番低年収だったのは、青森県で278万円でした。一方で一番高年収だったのは和歌山県で470万円です。なんと地域によって192万円もの年収差があります。
年収の地域差は、物価・生活コスト、雇用機会、施設の規模、業種、公務員か民間か、地域経済の影響など、複数の要因が重なって生じています。この差は、都市部と地方の経済環境や雇用機会の違いを反映しているといえるでしょう。
栄養士(管理栄養士も含む)の企業規模別の年収・月給・ボーナス推移
企業規模 | 平均年収 | 平均月給 | 平均ボーナス | 平均残業 |
大企業 | 417万円 | 28.5万円 | 74.5万円 | 13時間 |
中企業 | 372万円 | 25.5万円 | 65.8万円 | 5時間 |
小企業 | 375万円 | 25.7万円 | 66.8万円 | 3時間 |
平均 | 390万円 | 26.8万円 | 68.4万円 | 6時間 |
参照:「令和5年賃金構造基本統計調査」/厚生労働省をもとに作成
大企業は資本力や収益性・待遇の充実・労働環境の整備・人材競争力の確保など多くの側面で有利な立場にあります。そのため、年収やボーナスなどの水準が中小企業より高くなりやすい傾向が。しかし、平均残業時間が多いのも無視できません。最近は、中小企業でも専門性の高い業務や魅力的な福利厚生を提供する企業は増えてきていますよ。
栄養士(管理栄養士も含む)の男女別の平均年収・月収・ボーナスは?
男女別の年収・月収・ボーナスは下記のとおりです。
<栄養士(管理栄養士も含む)の男女別の年収・月給・ボーナス>
項目 | 男 | 女 |
年収 | 451万円 | 385万円 |
月給 | 31万円 | 26万円 |
ボーナス | 78万円 | 67万円 |
残業 | 12時間 | 6時間 |
参照:「令和5年賃金構造基本統計調査」/厚生労働省をもとに作成
※平均年齢:38.3歳(男38.2歳、女38.3歳)
※勤続年数:9.3年(男10.5年、女9.2年)のデータ
※従業員数10人以上の企業のデータ
男性の平均年収は451万円、女性は385万円でした。男性のほうが66万円(月額で5.5万円ほど)上回っているようです。男性のほうが残業時間が多い点が年収差に表れているでしょう。
栄養士は圧倒的に女性が多いですね。栄養士は低年収だといわれているので、現場では残業代を稼いで、家族を支えている男性栄養士もいましたね。
豆知識:栄養士は女性が9割以上!男性が少ない理由は?
令和5年度に発表された栄養士(管理栄養士も含む)の男女の就業比率は、女性約93%に対して男性は約7%に留まっています。
栄養士は圧倒的に女性が多い理由は、栄養士は「食事管理」という家庭的な役割と結びつき、女性向け職業としての歴史があるのが一因です。また、夜勤が少なく結婚・出産後も働きやすいライフスタイルに適している点も挙げられるでしょう。
栄養士に男性が少ないのは、「女性の仕事」という固定観念が強く、職業選択の段階で男性の選択肢に入らない点が考えられます。
そういえば、私が通った栄養士養成学校は女子校でした。栄養士は「食事の管理」という側面から、伝統的に家庭内労働と結びつき、女性の役割と見なされてきた歴史の名残が現在も残っているのですね。
管理栄養士の職域別の平均年収ランキング
管理栄養士の年収は、職場によって大きく差があります。ランキング形式でご紹介していきましょう。
順位 | 職域 | 年収 |
1位 | 研究(教育) | 550万円 |
2位 | 行政 | 450万円 |
教育(食育) | 450万円 | |
3位 | 医療 | 350万円 |
企業 | 350万円 | |
福祉 | 350万円 | |
給食 | 350万円 | |
4位 | フリーランス | 150万円 |
参照:「管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査 表 8.職域別年収」/厚生労働科学研究成果データベース
高年収のトップには「研究(教育)分野」550万がランクインしています。大手の食品メーカーや化粧品メーカー・大学の研究室など職場の種類はさまざまです。
続いて、「行政」「教育(食育)」が450万で公務員職が多くを占める分野が同額2位となりました。
その他の職域は、横ばいで350万ほど。フリーランスは150万と厳しい結果となっています。
管理栄養士の最終学歴別の平均年収は?
管理栄養士は大学を卒業した場合や短大を卒業した場合など、最終学歴によって年収の違いはあるのでしょうか?
最終学歴 | 年収中央値 |
専門学校 | 350万円 |
短期大学 | 450万円 |
専攻科 | 350万円 |
大学 | 350万円 |
大学院(修士) | 450万円 |
大学院(博士) | 650万円 |
参照:「管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査 表7.最終学歴別年収」/厚生労働科学研究成果データベース
上記の表は、大学院(博士)卒が650万円と一番高年収でした。次いで、大学院(修士)と短大卒が450万円で2位となっている理由は、調査対象の短大卒の栄養士の平均年齢が47歳ほどであったのに対し、大学卒は7割が0~30代を占めていたためと考えられます。
短大卒が管理栄養士を取得するには、卒業後に2年以上の実務経験を積んでから国家試験に合格する必要があります。一方で大卒入社の方はほとんどが管理栄養士なので、資格手当に違いが生まれそうですね。
栄養士・管理栄養士の平均的な初任給は?
短大卒や大学卒の栄養士・管理栄養士の初任給(新卒)を、会社の規模別に下記の表にまとめてみました。
企業規模 | 新卒栄養士 | |
短大卒 | 大学卒 | |
500人以上 | 152,943円 | 180,276円 |
100~499人 | 161,370円 | 180,539円 |
企業規模計(平均) | 155,105円 | 180,454円 |
参照:「令和5年職種別民間給与実態調査 表3 初任給関係職種の職種別、地域別平均初任給月額」/厚生労働省
上の図のとおり、令和5年における短大卒の栄養士の初任給は155,105円、大学卒の栄養士の初任給は180,454円となっています。
大学卒のほうが25,349円高いのは、学歴により基本給に差がある点や、大卒の場合、管理栄養士資格手当がつくといった点が考えられるでしょう。
私の初任給は10年以上前ですが、短大新卒・給食委託会社・残業なしで月給(手当や交通費なども含む金額)12万円ほどだった記憶があります。
栄養士(管理栄養士も含む)の生涯年収は「1億9780万円」
栄養士や管理栄養士が生涯で稼ぐ年収は、約1億9780万円と推定されます。この金額は、下記の条件を基に算出されています。
初年度の年収:390万円からスタートし、昇給を加味。
勤務先の規模や業種によって差が出る可能性あり(病院、学校、企業など)。
キャリア設計を考える際、この数値を基準に将来のライフプランを立てるのがおすすめです!
あなたらしくキャリアアップを目指そう
栄養士・管理栄養士の年収や生涯賃金は、職場環境や地域・職域によって大きく差がある点が特徴です。自分のキャリアプランを設計する際は、平均年収や生涯賃金を参考にしつつ、昇給率や福利厚生、さらには自分が目指すライフスタイルとのバランスを考慮しましょう。
また、地域や企業規模で待遇が異なるため、転職やキャリアアップを視野に入れるのも有効です。自身のスキルを高めるために資格取得や専門性を磨き、長期的な収入アップを目指す戦略も重要と言えるでしょう。
あなたが管理栄養士としてやりがいを持ちながら、もしくはほかの職種で、より自分らしくいられる道が必ずあります。詳しくは
「【管理栄養士のキャリア形成】実体験や他業種転職への事例も紹介」
にて綴っているので、ぜひそちらも併せて読んでみてください。
コメント