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「管理栄養士の仕事は将来なくなるの?」と不安を抱えていませんか?AI技術の進化や管理栄養士の増加に伴い、将来への不安を感じる方も多いでしょう。
確かに、献立作成や栄養価計算といった機械的な業務は、人力で行う必要はなくなるかもしれません。しかし、これから求められるスキルを理解して習得していけば、キャリアアップの可能性は広がります。
この記事では、管理栄養士が「将来も活躍し続けるために必要な5つのスキル」や「AIでは代替できない管理栄養士の役割」を具体例を交えて解説します。将来に向けて今から何を準備すべきか、どんな新しい働き方が可能かが見えてくるでしょう。あなたの不安を希望に変え、管理栄養士としての未来に自信を持って進んでいける一歩となるはずです。
「管理栄養士が将来必要なくなる?」と不安を抱く2つの要素とは?
「将来、管理栄養士の仕事がなくなるのでは?」と不安になる要素は、おもに以下の2つです。
②AIに管理栄養士の仕事を奪われるのでは?
疑問1:毎年誕生する管理栄養士は約1万人!就職先がなくなるのでは?
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
平成30年 | 17,222人 | 10,472人 | 60.8% |
平成31年 | 17,864人 | 10,796人 | 60.4% |
令和2年 | 15,943人 | 9,874人 | 61.9% |
令和3年 | 16,019人 | 10,292人 | 64.2% |
参照:「第36回管理栄養士国家試験の結果について」/厚生労働省
上記の表のとおり、管理栄養士の国家資格の合格率は60%以上と高い合格率であり、毎年約1万人の管理栄養士が誕生しています。そのため「飽和状態で、働く職場がなくなってしまうのではないか?」と不安な声が上がっているようです。
しかし実際は、管理栄養士の需要は増え続けています。日本は急激な高齢化が進んでいる点や社会の健康意識の高まりから、栄養指導や健康的な食品の開発などに従事する人材が求められ続けているのです。
また、AI技術の発展により栄養関連の基礎業務が効率化される中で、人と直接関わる管理栄養士の役割もさらに重要視されています。病院や福祉施設・保育園といった現場では、『管理栄養士にしかできないきめ細やかな栄養管理』が欠かせないのです。
疑問2:AIに管理栄養士の仕事を奪われるのでは?
年々AI(人工知能)の精度が上がり、一般社会にも普及が進んでいるため「将来、管理栄養士は必要なくなるのでは?」との声が上がっています。
最近では、AI搭載の食事管理アプリを利用して健康づくりに役立てている一般人の方も増えているようです。
画像認識のAIが進化しており、食事の写真をスマートフォンで撮影するだけで自動的に栄養計算できる機能もあります。管理栄養士の業務の核である栄養診断もAIが担う時代が来るかもしれません。
私も最近アプリを利用し始めましたが、日々の食事内容を入力するとカロリーや栄養素の過不足が数値でわかるので、食事の改善に役立っています。AIのお姉さんが「すごいですね!」とかやる気の出るアドバイスをくれるのもモチベーション維持対策もバッチリです(^^)
一方で、たくさんの専門家が「管理栄養士の職業が将来なくなる心配はいらない!」と断言しています。その理由は、つぎの章で深堀していきましょう。
将来も管理栄養士の仕事はなくならない!
AI(人工知能)が普及しても、管理栄養士の仕事がなくならない理由は、つぎの2つがあります。
・AI導入のハードルの高さ
それぞれ、詳細を解説していきましょう。
管理栄養士にしかできない5つの役割とは?
AI(人工知能)は、ルールに基づいた作業や膨大なデータの処理には強みがありますが、不得意な分野もあります。ここでは、管理栄養士にしかできない役割を5つご紹介します。
役割1:行動変容を促す「共感力」
患者や利用者が行動を変えるには『共感力』が欠かせません。
ただ単に、「ごはんの量を減らしてください。」「間食はしないでください」と指示されるだけでは、誰しもやる気にならないでしょう。
管理栄養士が提供できる『共感力』こそが、相手の行動を変える重要な要素です。相手の不安に寄り添い、信頼関係を築くことで、健康改善に向けたアドバイスは実践に移されやすくなります。
役割2:状況に応じた「臨機応変な対応」
医療や介護・保育といった”人と関わる現場”では、突発的なアクシデントや体調不良がよく起こります。
ときには、多少栄養バランスを崩してでも“食べる相手の気持ちに寄り添って”食事を提案する柔軟性も必要です。
管理栄養士には、状況に合わせた臨機応変な対応が求められますが、AI(人工知能)は相手の感情や状況に合わせた献立作成はできません。
思いやりや臨機応変な対応は人間にしかない強みです。
役割3:気持ちに寄り添う「安心感」
患者さんや施設の利用者さん・保育園の園児など直接コミュニーケーションをするのも管理栄養士の大切な仕事です。
患者さんや利用者さんの場合、健康に不安を感じています。管理栄養士は、相手の感情に共感を示して「安心感」を与えられる存在です。
ヒアリングをして不安を吐き出してもらったり、漠然としたモヤモヤを取り除いたりもできます。
AI(人工知能)は感情を読み取る能力が低いので、気持ちに寄り添う「安心感」は管理栄養士ならではの強みでしょう。
役割4:課題を見つける「察知力」
私たち人間は、目の前にいる人の表情や話の流れ、その場の空気感を読み取り、違和感や問題点に気づく「察知力」があります。
一方でAI(人工知能)は、自ら問題点に気づけません。作業内容や条件を人間が設定しないと機能しないのです。
対象者の異変にいち早く気づき、早期発見・早期治療につなげることは管理栄養士(人間)にしかできません。
役割5:適切なデータを「収集する作業」
2024年3月段階でのAI(人工知能)は、仕事内容を何度も何度も教育して、やっとできるようになる特化型が主流です。
なかでも「ディープラーニング(深層学習)」の技術が急激に進化を遂げています。人間の脳神経回路のような仕組みで、膨大なデータから的確な判断を導くのが得意です。
特定のがんの診断においては、医師よりもAIのほうが正確性が高いともいわれています。
しかし、元となる良質なデータがなくては、AIは解析できません。
適切なデータを集める作業は、管理栄養士が行う必要があるのです。
管理栄養士の役割が必要とされる職場
管理栄養士は、医療業界や保育園・食品メーカー・ドラッグスト・行政機関など多方面で必要とされています。各職場で、専門的な栄養知識を活かした個別対応や、顧客や患者との信頼関係を築くコミュニケーション力が求められており、こうした人間的な対応はAIでは代替できません。管理栄養士が持つ専門知識と柔軟な対応力が、地域や社会の健康維持・向上に大きな役割を果たしています。
医療業界
医療業界では、管理栄養士が患者一人ひとりの病状や生活習慣に応じた個別対応を行い、多職種と連携しながら柔軟に栄養管理を進める必要があります。
また、患者の不安に寄り添い、安心感を与える「共感的なコミュニケーション」も重要で、こうした細やかな対応はAIには難しいため、管理栄養士の役割が不可欠です。
食品メーカーの営業職
管理栄養士の知識を活かして、健康食品や栄養価の高い商品の提案を行います。
営業職では「信頼関係」が重要で、単なる製品説明だけでなく、管理栄養士の専門知識が信頼に繋がります。
顧客のニーズに合った製品を提案し、セミナーなどで直接商品の良さを伝える場も多く、管理栄養士の価値が発揮されます。
保育園
保育園では、子どもの成長段階やアレルギーに応じた柔軟な対応が求められ、食事の工夫や安全配慮を行う管理栄養士が必要です。また、保護者への栄養指導や食育も重要な役割であり、子どもが楽しく学べる健康教育や保護者との信頼構築はAIには代替できないため、管理栄養士の存在が欠かせません。
ドラッグストア
栄養相談や商品アドバイスができるため、顧客との接客で専門知識が活かせます。
在庫管理や売り場の配置においても、データ分析と管理栄養士の視点から、効率的な商品の提案が可能です。
AIで在庫管理は支援できますが、顧客の悩みに直接答える役割は管理栄養士ならではのものです。
行政機関(健康保険センター・保健所)
地域住民の健康を支援する役割で、直接指導や栄養に関するセミナーを行います。
例えば、妊産婦向けの栄養指導や地域の健康イベントで、食事改善のための具体的なアドバイスが求められます。
行政の現場ではAIに代替できない「実際のアドバイス」や「現場での指導力」が求められ、管理栄養士の重要な役割です。
管理栄養士の代わりにAI導入が非現実的な4つの壁とは?
「将来、管理栄養士の仕事をAIに奪われる心配はない」といえるのは、AI(人工知能)を導入するハードルが高い現実もあります。
具体的な壁はつぎの4つです。
それぞれの詳細を解説します。
理由1.導入に高額なコストがかかる
AI(人工知能)を導入するには、高額なコストがかかります。AIが長期的にみれば高い費用対効果が挙げられる可能性が高いでしょう。
しかし、高額な初期投資に加えて毎月の利用料もかかるため、資金力のある大手企業での導入に留まる可能性が高いです。
さらに、今までの業務内容の見直しやシステムの移行、新システムの習得に膨大な時間コストもかかるので、一般化するのはハードルが高いでしょう。
理由2.責任の所在があいまい
2024年3月現在、AI(人工知能)の判断により生じたトラブルの責任の所在を記した法律はありません。
そのため、AIによる誤った情報提供があった場合、会社(病院など)が責任を問われるリスクがあります。
年々、AIの精度が上がっているとはいえ、人間による最終チェックをせずAIに管理栄養士業務を丸投げするには、リスクが大きすぎるでしょう。
理由3.リスクマネジメントが難しい
AI(人工知能)ツールは、患者情報や会社(病院など)の需要な情報を取り扱います。そのため、問題が生じた場合に現場が混乱してしまう可能性が高いです。
AIに問題が生じた場合、どんな影響があるのかを考え、どのように対処するのかを整備して周知しておく必要があります。
規模によっては、リスク管理部門を設置して、マニュアルや管理体制を構築する必要もあるでしょう。新たな人件費がかかる可能性があるので、中小企業の導入は現実的ではありません。
理由4.情報が漏れる危険性がある
AI(人工知能)ツールから、患者情報などの機密情報が漏洩する危険性もあります。
第三者によるサイバー攻撃を受けたり、ツールの扱いが不慣れな社員により誤って外部に情報を流出する可能性もあるでしょう。
会社(病院など)の信頼を失いかねないので、栄養課にAIを導入するのは慎重になるケースが多いと考えられます。
AIが得意な管理栄養士業務は?
将来的に、AIに任せられるおもな管理栄養士業務は、以下のとおりです。
・栄養価計算
・セミナーの資料の骨格作り
・掲示物の作成
・帳簿処理
・発注作業
・食事のアドバイス など
仕事がなくなるどころか、管理栄養士の将来性は広がっている!
管理栄養士は、とあるビジネス雑誌によるランキングにおいて「需要が伸びる医療職」9位にランクインしています。一方で、「需要が減る医療職」の8位にも登場しており、管理栄養士の将来性については意見が分かれているのが現状です。
ただし、一つ言えることは、人間がAI(人工知能)を開発した目的は「仕事を効率化するため」にすぎません。うまく活用すれば、より良い栄養管理でできるようになります。
また、AIが普及してきたからこそニーズが高まる分野や新たな職業も生まれているので確認してみましょう。
「乳幼児と高齢の方たちの食事の提案」のニーズがある
AI(人工知能)を活用した食事管理アプリが普及していますが、乳幼児や高齢者については、管理栄養士による食事管理が求められています。
スマートフォンを使いこなせる世代では、食事管理アプリの使用から食事や生活状況のデータを収集できます。しかし、乳幼児や高齢者のデータは集まりにくいのです。
管理栄養士には、子どもが目で見てワクワクする食事や、高齢者の持病・生活スタイルに寄り添ったメニューの提案など、AIにはマネできないきめ細やかな対応が求められます。
「管理栄養士としてAIの新サービス開発に携わる」新しい働き方も!
今後、AIを活用して管理栄養士の業務の効率化をはかるためには、現場経験のある管理栄養士の声が欠かせません。
管理栄養士が抱える大変さ・改善点は、現場の人間にしかわからないからです。
AIを”脅威”と捉えるのではなく、うまく活用してより働きやすい現場をつくるための開発側で活躍する道もあります。
(参考:「【講演レポート #05】AI時代の到来、 現場に求められる”共感力”とは?」/公益財団法人 日本栄養士会)
管理栄養士にこれから求められる5つのスキル
これからの時代、管理栄養士には栄養の専門知識に加えて、幅広いスキルと柔軟な対応力が求められます。おもな5つは下記のとおりです。
1. 個別対応力と共感力
2. 多職種連携スキル
3. 食育の提供と教育スキル
4. 経営スキルとコスト管理意識
5. AIやデジタルツールの活用スキル
1. 個別対応力と共感力
健康状態や生活背景が異なる一人ひとりに最適な栄養指導を行うには、患者や利用者に合わせた個別対応と「共感力」が欠かせません。AIはデータの分析が得意ですが、感情に寄り添い、行動を変える支援には限界があります。管理栄養士だからこそ、個々の状況に配慮した「共感力」を発揮できます。
例えば、糖尿病の患者様が食事管理に苦労している場合、管理栄養士が「どんな食事が続けやすいか」「無理なく改善できる方法」を一緒に考え、サポートすることで、患者が前向きに食生活を改善できるようになります。患者様が感じる「自分に合ったアドバイスをもらえた」という安心感が、行動変容を後押しするのです。
2. 多職種との連携スキル
医療現場では、管理栄養士が医師や看護師・薬剤師と情報を共有しながら、患者様にとって最善の栄養管理を提供するのが重要です。多職種と連携してこそ、より質の高いケアが実現します。
例えば、患者様が薬を服用している場合、薬剤師から薬との相互作用について情報を得て、栄養管理に反映させる力が求められます。こうしたコミュニケーションがあって初めて、患者様にとって安全で効果的な栄養指導ができるんです。
3. 食育の提供と教育スキル
特に保育園や学校で活躍する管理栄養士には、子どもたちに栄養の大切さを楽しく伝える「食育」スキルが求められます。食に関する基本的な知識を教え、将来にわたる健康習慣を育むサポートが重要です。
保育園では、旬の食材を使った料理を提供し、その食材がどんな栄養を含み、どのように体に良いのかを子どもたちに伝えるイベントを実施します。子どもたちが楽しみながら学べるように、遊びや歌を交えて食育を行うと、食に対する興味が育ち、将来的にも健康な食習慣を持ち続けるきっかけとなります。
4. 経営スキルとコスト管理意識
特に病院や介護施設では、コストを考慮しつつ、栄養価の高い食事を提供することが求められます。限られた予算で質の良い食事を作るには、栄養バランスだけでなく、コスト管理のスキルも重要です。
食材価格が上がっている中で、予算内に収めつつ栄養を確保するために、旬の食材や地元産の野菜を使ってコストを抑える工夫が必要です。仕入れや在庫管理も効率よく行いながら栄養価を保つことができれば、経営にも貢献できる管理栄養士としての信頼が高まります。
5. AIやデジタルツールの活用スキル
AIやデジタルツールは栄養価計算やデータ管理を効率化するのに役立ちます。便利ツールをうまく活用できれば、作業効率が上がり、管理栄養士がより創造的な業務に集中できます。
栄養価計算や献立作成にAIツールを使用すると、手間を大幅に削減できます。例えば、アプリを使って患者の食事記録を自動でチェックし、過不足を数値化して把握しやすくすることで、管理栄養士はそのデータをもとに、具体的な食事改善アドバイスに注力できるようになります。
食事改善の一歩は、AIにはない管理栄養士の「共感力」があってこそ!
管理栄養士の未来は、AIの台頭によって一見不透明に思えるかもしれません。しかし、実際には人間にしか提供できない「共感力」や「臨機応変な対応」が求められる場面が数多くあり、管理栄養士は今後も多様な分野で必要とされています。たとえば、医療現場や保育園など、きめ細やかなケアが求められる場での管理栄養士の役割はますます重要になるでしょう。
さらに、AIやデジタルツールを活用して基礎業務を効率化することで、管理栄養士の業務はより充実した方向に進化しています。今後は、AIを味方につけながら、自己成長や新たなスキルを磨く姿勢が管理栄養士としての価値を高めるポイントです。
管理栄養士としての将来に不安を感じている方も多いかもしれませんが、スキルアップや職場の選択肢を広げることで、未来はさらに明るくなる可能性があります。今後のキャリアを築くための新たなヒントや、さまざまな職場・働き方について知りたい方は、下記を参考にしてみてください。↓
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