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「給食管理だけでなく、栄養指導(相談)にも携わってみたい」そんな管理栄養士さんは多いのではないでしょうか?
筆者であるemimiも、給食会社で働いていた時に「いつか栄養指導をしてみたい」と憧れを抱いていました。実際に、給食会社から病院に転職をして栄養指導業務に携わった経験もあります。
どのような勉強が必要なのか、現場での具体的な栄養指導(相談)の流れやポイントをマスターしましょう。栄養指導ができる職場や求人の探し方についてもご紹介します。何か、一つでも参考になれば嬉しいです。
管理栄養士の栄養指導(相談)の勉強方法
参考書で勉強する
書店には、栄養指導に役立つ参考書がいろいろと並んでいます。あなたがやってみたい分野にあわせた参考書で、まずは知識をインプットしましょう。
セミナーや研修会に参加する
セミナーや研修会に参加して、新しい栄養の知識をインプットしましょう。講師として登壇する方は、実際の現場で活躍されている方が多いです。現場で役立つ実践的な知識が学べるでしょう。質疑応答で質問できるケースが多いので、疑問に答えてもらえるのも嬉しいポイントです。
セミナーや研修会は、都道府県の栄養士会や企業が主催しているので、検索してみましょう。
友人や家族を相手に練習する
栄養の知識をインプットできたら、友人や家族に練習台になってもらいましょう。相手の実際の食事についてアドバイスしたり、現場で想定される設定での練習をしたりします。
実際に栄養指導(相談)をすることで、想定していなかった質問への回答を用意したり、流れをつかめるでしょう。相手の生活状況に合わせたアドバイスを考える練習にもなります。
先輩の栄養指導(相談)を見学する
可能であれば、先輩の栄養指導(相談)を見学させてもらうのが理想です。
栄養指導の流れや内容、話し方のトーン・ペース・身ぶりや手ぶりといった点を学べるので、イメージがつかみやすくなります。
上司の許可や栄養相談の対象者の同意が得たうえで行う必要がありますが、とても実践的な学びになるでしょう。
病院の栄養指導(相談)の手順
栄養指導(相談)の方法は、各病院によってさまざまです。あくまで一例となりますが、病院の栄養指導の基本的な手順例をご紹介します。
1.あいさつ
2.食事や生活スタイルの聞き取り
3.医師の指示に沿った食事のアドバイス
4.質問への返答
5.目標設定
6.あいさつ
0.カルテで患者さんの情報収集
まずは、カルテで患者さんの病気や生活状況などについて情報を得ておきます。話す内容をイメージして、栄養指導に必要だと思われる資料(パンフレットや食品交換表など)の準備をします。
1.あいさつ
患者様と対面したら、まずはあいさつです。
(声かけの例)
管理栄養士の○○です。
よろしくお願いします。
「来院のきっかけは何ですか?」
「検査結果について先生は、何か言っていましたか?」
例)
・将来が不安
・嫌々だけど、仕方なく来た
・頑張りたい など
2.食事や生活スタイルの聞き取り
つぎは、患者さんの食生活について聞き取りします。病院によっては、食生活の聞き取り用紙に前もって記入していただくケースもあります。おもな質問内容は、以下のとおりです。
・朝食時間
・今朝の食事内容(メニュー・だいたいの量)
・昼食時間
・昨日または今日の昼食内容(メニュー・だいたいの量)
・夕食時間
・昨日の夕食時間と食事内容(メニュー・だいたいの量)
・日中の過ごし方
・仕事内容(デスクワークなのか/体を動かすかどうか)
・仕事の就業時間
・一緒に生活する家族構成
・食事は誰が作るか
・間食を食べるかどうか(メニュー・だいたいの量)
・普段何を飲むか
・お酒を飲むか(お酒の種類・1回量と頻度)
・タバコを吸うか
・夜はぐっすり寝れているかどうか(眠れない場合は、夜食を食べているか)
患者さんが、正直に心を開いて話せるように「否定せずに聴く」を徹底しましょう。聞き取り内容から、以下の見当をつけます。
・ざっくりとした摂取カロリー
・運動量に過不足
・疾患に応じて、塩分や脂質の傾向 など
3.医師の指示に沿った食事のアドバイス
医師から指示されている、一日の摂取カロリーや塩分量・脂質量といった内容をお伝えします。
食品サンプルやパンフレットなどを用いて、理想的な食事を提示したり、患者さんの現状の食事との比較を見せるとよいでしょう。
(声かけの例)
ごはんは小茶碗1杯が理想ですが、現状は大茶碗1杯なので、小さい茶碗に変えるのも手ですね。
4.質問への返答
説明してきたなかで質問があるか確認します。質問への正しい返答がわからない場合は、無理に答えようとせず、次回までに調べるようにしましょう。
(声かけの例)
今までの内容でわからない点はありますか?
次回までに調べてお答えしますね。
5.目標設定
目標について医師の指示がある場合は、指示目標をお伝えします。目標を達成するために、次回までにどんな行動ができるかを患者さん自身に考えてもらいましょう。
(声かけの例)
医師からは、塩分を減らすようにいわれてますが、何かできそうなことはありますか?
患者さん自身で行動目標が決められない場合は、管理栄養士が提案します。
(声かけの例)
野菜の摂取源のほとんどが漬物なので、サラダ+減塩ドレッシングにしましょう。
完璧な答えは求めず、1つでも実行可能な目標を立てるのが大事です。
6.あいさつ
目標が決まったら、初回栄養指導(相談)は終わりです。あいさつをして終了します。
(声かけの例)
では、お大事にしてくださいね。
栄養指導の3つのポイント
つぎは、栄養指導(相談)をするうえでの3つのポイントを押さえておきましょう。
傾聴
患者さんの話を真剣に聴きましょう。気持ちに寄り添い、共感しながら聴くのが大切です。質問に対して、患者さんが考えているようであれば、しばらく黙って待ちます。沈黙を恐れて、こちらが話し始めてしまうと、肝心な患者さんの話が引き出せずに正しいアドバイスができない場合があるので注意しましょう。
相づちやリアクションをする
適度な相づちとリアクションは「あなたに関心がありますよ」「話をしっかりと聴いてますよ」という意思表示になります。相手が心を開いて話すために重要です。
リアクションが難しい場合は「オウム返し」をしてみましょう。相手が言った言葉を繰り返せばいいので、初心者さんでも取り入れやすいでしょう。
褒める
とにかく患者さんのよいところを見つけて褒めましょう。3回褒めて1回アドバイスするくらいの気持ちでOKです。
栄養指導(相談)に来られる方の大半は「食事についてダメ出しされる」と思っているので、まずは警戒心をほどく必要があります。
たくさん褒めて、患者さんが安心して話せる雰囲気作りをしましょう。人間には、「たくさん聞いてくれた相手の話は、受け入れやすい」という性質があります(返報性の法則)。栄養指導のアドバイスを受け入れてもらうために大切なプロセスです。
管理栄養士が栄養指導(相談)をする職場
管理栄養士が栄養指導(相談)をする職場は、病院だけに限りません。具体的にどのような職場があるかを見ていきましょう。
医療施設
病院やクリニック・歯科医院といった医療施設で、栄養指導(相談)に携わる道があります。
病院
病院では、患者さんの病気の改善に向けた栄養アドバイスが多いです。患者さん一人一人に対して行う「個別栄養指導」や、糖尿病患者や肥満患者など集団に対してセミナー形式で行う「集団栄養指導」があります。
クリニック
クリニックでは、慢性的な持病がある方に向けて栄養指導を行う場合が多いです。症状の重症化を予防するために、食の面からアプローチします。
歯科医院
歯科では、予防の観点で口腔内の健康増進を目的に栄養アドバイスしていきます。歯科助手としての業務も行うようです。
福祉施設
福祉施設では、利用者である高齢者や障がい者の方に栄養指導(相談)を行います。
高齢者福祉施設
高齢者は、口腔機能の低下により上手に噛めない場合が多いです。無理なく食事をしていただくためにゼリー食を提案するなど、いつまでも食を楽しんでいただけるようにサポートしていきます。
障がい者福祉施設
障がい者福祉施設では、偏食や肥満に関する栄養指導をするケースが多いです。バランスのよい食事についてお伝えします。
行政施設
保健所をはじめとした行政施設では、地域の健康増進を目的に栄養指導(相談)を行います。
例えば、3歳児健診の際の「個別栄養相談」や、母親学級のような「集団栄養指導」が代表的です。健康な人に対する栄養指導であれば、栄養士でも予防の観点で栄養指導(相談)できます。
なお、病気がある方を対象とした栄養指導(相談)は管理栄養士でなければできません。
学校
給食を実施する小中学校で働く栄養教諭は、児童や生徒に向けて食の指導を行います。「食育の授業」のほか、食物アレルギー・肥満の児童生徒や保護者に対しての「個別指導」も仕事の範囲です。
一般企業
一般企業においての栄養指導は、法律上は管理栄養士の資格が必須ではありません。しかし、専門知識のある管理栄養士を採用する企業がほとんどです。栄養指導がメインではないケースが多いので、仕事内容は事前にチェックしましょう。
スポーツジム
健康的な体を目指し、運動と組み合わせて、栄養士・管理栄養士による栄養相談を実施しているスポーツジムがあります。対面での個別指導をしたり、毎日の食事記録に対するアドバイスをメール形式で行ったりします。
エステ
栄養士・管理栄養士による栄養指導(相談)を行っているエステサロンもあります。栄養指導により、美容施術だけでなく、日々の食事から美をサポートするのです。
栄養士・管理栄養士としてではなく、エステティシャン・セラピスト・インストラクター・セラピストといった肩書で働く求人が多くみられます。栄養指導だけでなく、健康美容食品の販売や料理を提供するエステサロンもあるようです。
ドラッグストア(薬局)
ドラッグストアで管理栄養士による無料栄養相談を行っているケースもあります。「登録販売者」という薬に関する資格を持っていると、就職に強いようです。来店ついでに、食事や離乳食・美容などについて相談されます。業務内容は、店舗スタッフとしてレジや品出しが多いです。
フリーランス管理栄養士
フリーランス管理栄養士で、企業やスポーツチームなどと専属契約や業務委託契約をして、栄養指導(相談)をする道もあります。フリーランスで専門的な栄養指導をするには、各分野の認定資格を取得して専門性を高めるのがおすすめです。
管理栄養士の認定資格の種類については、
「【管理栄養士のキャリア形成】実体験や他業種転職への事例も紹介」
の記事で詳しく解説しています。管理栄養士として栄養指導(相談)できる求人の探し方
以上のように管理栄養士として栄養指導(相談)を行う職場は、たくさんあります。あなたに合った求人を見つけるには、どうしたらよいのでしょうか。
都道府県栄養士会のホームページから求人を探す
都道府県栄養士会のホームページには、各地域の求人情報が公開されています。都道府県栄養士会の一覧はコチラからチェックしてみてください。
ハローワークの求人を探す
直接お近くのハローワークに行って、設置してあるパソコンから自分で求人を検索したり、対面による転職相談ができます。地元の求人が多いです。利用できる時間は基本的に平日8:30~17:15までなので、会社員は使いにくいかもしれません。
WEB上でも求人が見れますが、一部には社名非公開の求人もあります。ハローワークに登録することで、求人の詳細確認が可能です。地元の求人が多く、大手企業の求人は少ない傾向があります。
全国のハローワークの所在地はコチラからチェックしてみてくささい。
私は、ハローワークの求人に応募して市内の病院に転職できました。休職中だったので利用できましたが、働いていたら時間的に利用できなかったですね。
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転職サイトや求人サイト・転職エージェントは、中小企業から大手企業まで幅広い管理栄養士の求人が掲載されています。正社員に限らず、パート・アルバイト・派遣社員など雇用形態も豊富です。
転職エージェントは、お金をかけずに転職のプロに相談ができ、今現在働いている方でも隙間時間にチャットで転職活動を進められるものもあります。理想的な働き方を叶えている方が多くいるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
おすすめの転職エージェントサービスについてはの記事で詳しく紹介しいるので、参考にしてみてください。
まとめ
管理栄養士を志したときに”イメージしていた姿”に今あなたはなれていますか?管理栄養士といえば、”栄養指導をしている姿”を思い浮かべていた方もきっといるでしょう。
管理栄養士の働き方が多様化している今、栄養指導を行う場面も多くなっているので、ぜひ理想を実現させるためにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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