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管理栄養士の就職先といえば、病院や福祉施設・学校や給食会社で「大変なわりに安月給」のイメージが強いのではないでしょうか?
しかし、世の中には待遇がよく高年収が狙える大手企業に勤める管理栄養士も存在します。
本記事では、大手企業で働く管理栄養士の仕事内容・待遇・転職する方法について解説します。
正社員は狭き門ですが、高待遇な派遣社員として大手企業で働く方法もありますよ。
グンと就職の難易度が下がるうえに、一般的な病院や給食委託会社に比べるとかなり条件が良いので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
大手企業で働く管理栄養士とは?
管理栄養士が働く大手企業とは、「食品メーカー」「製薬メーカー」「化粧品メーカー(健康食品やサプリメントを取り扱っている会社)」などです。
「管理栄養士」としての採用ではなく「総合職」扱いでの採用となるケースが大半です。大手企業に勤務した場合の待遇を紹介します。
給与
メーカー勤務の正社員の平均月給と年収は、以下のとおりです。
年収:350~800万円ほど
勤務時間
勤務時間は、メーカーによりさまざまです。
人気のフレックスタイム制度を採用する会社もあります。フレックス制度とは、あらかじめ一定期間内の総労働時間が設定されており、労働者が始業と終業の時間を自由に決められる制度です。
保育園や習い事の送迎など、育児・家庭との両立がしやすいメリットがあります。
一方で、商品開発に関わる場合は、発売日に向けて深夜まで残業をする会社もあります。
休日
大手企業で働く管理栄養士は、土日祝の勤務がない職場が多くプライベートと仕事のバランスが取りやすい特徴があります。
一方でメーカーの開発職の場合は、入社1~3年目は工場勤務となり土日も関係なく勤務するケースが多いため、休みが少ない場合もしばしばです。
大手企業の管理栄養士の給料・年収はどのくらい?
大手企業に勤める管理栄養士の平均年収は、550万円(※1)ほどとされています。平均月給は35万円くらいです。
栄養士・管理栄養士を一括りにした「栄養士」の平均年収は、379.1万円(※2)なので、大手企業はやはり高収入といえます。
管理栄養士が働く職域は、病院や給食委託会社など複数ありますが、大手企業は1番年収が高いカテゴリです。
(※1)参照:「管理栄養士の学歴及び職域と年収に関する疫学調査 表 8.職域別年収」/厚生労働科学研究成果データベース
(※2)参照:「職業情報提供サイト」/厚生労働省
大手企業の管理栄養士は新卒でもなれる?
大手企業では、営業や商品開発などで新卒の採用を行っています。
商品開発部門で採用となった場合でも、はじめの1~3年は工場の管理部や営業で実務経験を積むケースがほとんどです。
しかし、正社員枠の採用は100~200倍の倍率が当たり前…
さらにライバルは、大学院卒や超理系な場合が多い狭き門です。
補足情報として、管理栄養士養成施設新卒の皆さんを対象にした就職先の調査では、一番多い「病院」に次いで「企業」が多くを占めています。
(参照:「令和4年度管理栄養士養成施設卒業生就職先内訳」/一般財団法人 全国栄養士養成施設協会)
もちろん上記の数字は、大手だけでなくドラッグストアや中小企業も含まれますが、就職先として「企業」は人気です。
大手を目指す場合は、覚悟して挑戦しましょう。
大手企業の管理栄養士に求められるスキル・知識は?
大手のメーカー勤務の場合、「管理栄養士」としての採用ではなく「総合職」扱いでの採用となるケースが大半です。
しかし、開発や研究職の場合は管理栄養士としての専門知識や深い知見が求められます。
管理栄養士の養成学校で習う基礎的な「食品学」や「生化学」に加えて、専門的な「微生物関連の知識」も必要です。
事務作業や市場のニーズ調査も行うため、一般的な「ビジネスマナー」や「マーケティング」の知識も役立ちます。
採用のための試験は、一般企業と同様に「TOEIC※3」や「SPI※4」の点数が有利に働く場合もあるでしょう。
(※3)TOEIC:グローバルな世界の日常生活やビジネスで使える英語力をスコア測定する世界共通の筆記試験。10~990点の5点刻みで採点される。
(※4)SPI:企業が人材を採用する際に、応募者の人となりや能力を把握するために行う適性検査の1つ。基礎的な知的能力や性格特性といった個人の資質を測定できる。
大手企業に勤める管理栄養士の仕事内容は?
大手の食品メーカーや製薬メーカーなどでは、おもに下記の5つの仕事があります。
②商品企画
③商品開発
④品質管理
⑤お客様対応(カスタマーサービス)
仕事内容①:営業・広報
商品を販売してくれるお店への営業や、商品の認知度を上げるための宣伝を行います。
他部署の商品開発部での採用であっても、はじめの1~3年は営業や広報を任される場合が多いです。
テレビCMやネット広告だけでなく、最近はSNSでの広報も重要なお仕事となっています。
仕事内容②:商品企画
一般消費者が「欲しい」と考えているものを調査し、ニーズに合った商品の企画を考えます。
マーケティング部門が中心となり、他部門と連携しながら商品やパッケージをつくる仕事です。
仕事内容③:商品開発
商品企画をもとに、リニューアルや新商品の設計づくりをします。
材料や配合バランスを考えのに加えて、作成手順や工程・使用機械・工場の選定も行い、安定生産できるように調整するまでが仕事です。
そのほか、栄養素の分析や細菌検査・衛生チェックといった業務もあります。
仕事内容④:品質管理
一般消費者に安心で安全な商品を届けるために、品質や安全性を確保する仕事です。
食品メーカーや製薬メーカー・化粧品メーカーなどでは、健康食品やサプリメント・薬を扱うため、消費者の健康を守るために厳重な品質管理がされています。おもな仕事内容は、以下のとおりです。
・衛生管理
・製品の検査
・微生物検査
・分析業務
・企画書作成(原材料や栄養成分・アレルゲンなどを記載する書類)
・HACCP書類の作成・管理
・クレームやトラブルの原因調査
・ノロウイルス対策
・手洗い講習
・品質管理業務の社員教育 など
仕事内容⑤:お客様対応(カスタマーサービス)
消費者からの商品に関するお問い合わせやクレームの対応をします。メールや電話・チャット・SNSをコミュニケーションツールとして使うことが多いです。
健康食品やサプリメントに関する問合せに応えるには、配合成分や栄養素の専門知識が必要であるため、管理栄養士の募集が出ている場合があります。
お客様の活きた声を知り、よりよい商品づくりや顧客満足度の向上を担う大切な仕事です。
大手企業に管理栄養士が勤めるメリット・デメリット
大手企業に勤めるメリットとデメリットを確認して、自分に向いているかどうかを確認しましょう。
管理栄養士が大手に勤めるメリット
管理栄養士が大手企業に勤めるおもなメリットは、つぎの7つです。
メリット①:収入が安定する
大手企業は、多くの事業を展開しているため、1事業の業績が低迷しても、ほかの事業でカバーできます。
社会的な信頼性が高いため、銀行からの融資を受けやすく経営基盤がしっかりした会社が大半です。短期的に業績が冷え込んでも、給与に悪影響をおよぼす可能性は低く、安定収入が得られるでしょう。
メリット②:年収アップが見込める
大手企業は、中小企業に比べて平均年収が高い傾向があります。労働組合の仕組みが整備されており、経済成長に合わせた給与のベースアップを積極的に検討・実施しているためです。
さらに、役職の数が多いため、実力に応じて年収アップが狙えます。
メリット③:教育制度がしっかりしている
大手企業は会社を大きくしていくために、人材育成に力を入れています。社会人の基本であるビジネスマナーや新人研修のほか、スキルアップ研修や、資格取得のための参考書・受験費用を負担してくれるケースが多いです。
メリット④:大規模な仕事に従事できる
日本をけん引する大手企業なので、大ヒット商品の開発・販売に関われる可能性があります。社会に与える影響力が高いので、大きなやりがいや達成感を味わえるでしょう。
メリット⑤:福利厚生が充実している
格安で利用できる社員食堂や、冠婚葬祭の慶弔金・家族手当はもちろん、自社商品やサービスの割引など多種多様な福利厚生があります。
メリット⑥:いろんなキャリアに携われる
大手企業には多種類の部署や仕事があるため、ジョブローテーションなどで、さまざまな仕事の経験が積めます。
例えば、管理職としてマネジメントをするキャリア、専門分野の技術を磨くキャリアなどです。
さまざまな経験を通して、色んな視点で物事をとらえたり、自分がどんな仕事に向いているのかも確かめられるでしょう。
メリット⑦:ネームバリューがある
大手企業は知名度が高いため、社会的な信用性も高いでしょう。住宅ローンの融資が受けられたり、転職の際にも大きな実績として評価されます。
管理栄養士が大手に勤めるデメリット
エリートで恵まれた印象が強い大手ですが、デメリットもあります。
デメリット①:やりたい仕事ができない可能性がある
大手企業は、部署の種類や業務内容が多いため、希望していない業務を任されることもあります。
定期的に異動やジョブローテーションがあるので、いろいろな仕事を覚える必要もあります。
デメリット②:転勤がある
大手企業は、日本各地だけでなく海外にも拠点があるので、転勤や海外赴任の可能性があります。
新しい環境と仕事に慣れていく必要があり、対応していくのは大変です。特定の地域に定住するのが難しい可能性があるので、私生活に大きく影響を与えるでしょう。
デメリット③:経営陣との距離が遠い
大手企業は、組織が大きいため、自分の意見を役員や経営陣に直接伝える機会は滅多にありません。
役員の意見が通りやすく、自分の意見が伝わらない風潮があるため、仕事のモチベーションが下がってしまうことも…。
大手企業の社員が“挑戦よりも現状維持を優先する考えになっていく傾向”を「大企業病」と呼んでいる人もいます。
デメリット④:出世の競争が激しい
大手企業は優秀な人が多いため、出世するには自分の価値を最大限にアピールする必要があります。
会社の社風により、年功序列の仕組みが根強い会社や、実力重視の会社など違いはありますが、社員数が多いので任された業務だけこなしているだけでは出世できない可能性が高いでしょう。
デメリット⑤:自分の仕事の成果が見えにくい
大手企業では分業体制が整っているため、自分の仕事は全体のごく一部です。仕事の全体像が見えにくく、会社に対する自分の貢献度を実感しにくい場合があります。
大手の管理栄養士の求人はどうやって探すの?
大手の管理栄養士の求人はなかなか見かけませんが、どのように探すのでしょうか?
②派遣として働く
③転職エージェントを活用する
方法①:企業の公式サイトを確認する
大手企業の公式サイト内で採用募集をしている場合があるので、チェックしてみましょう。
前述したとおり、「管理栄養士」としてではなく「総合職」での採用の場合が大半です。そのため、検索の際は「(企業名)○○ 採用」と検索するか、気になる企業の公式サイトに直接アクセスして「採用」の項目をクリックしてみるとよいでしょう。
方法②:派遣として働く
正社員が難しい場合は、派遣で大手企業に働く方法もあります。
人材派遣会社に登録すると、大手の食品メーカーや製薬メーカーなどの商品開発のアシスタントの求人が出ている場合があるので、まずは応募しましょう。
管理栄養士としての実績に自信がない場合であっても、派遣であれば大手で働けるチャンスがあります。正社員と同様に、待遇がよい求人がたくさんありますよ。
大手企業に勤める管理栄養士(派遣)の求人例
大手企業の管理栄養士(派遣)の求人例を見てみましょう。
雇用形態 正社員 求人内容 健康補助食品の開発アシスタント 給与 モデル年収例
年収500万円 / 34歳
年収380万円 / 29歳
年収330万円 / 24歳手当 ・有給取得率100%
・育休復帰率100%
・交通費全額支給
・技術給
・休日出勤手当
・残業手当※100%支給
・地域サポート手当
・家賃補助
・帰省費用補助(単身者のみ)
・資格支援制度
・転居費用全額会社負担※経験者は一律技術給を含みます
※修士卒の方は+月1万円、博士の方は+月2万円を支給
※地域サポート手当あり
※転居費用全額負担、帰省費負担制度あり(単身者のみ)福利厚生 ・社会保険完備
・退職金(確定拠出年金)
・技術研修制度(機器分析・細胞培養・PCR・ELISA)
・キャリアコンサルタントによる面談
・技術図書の貸出
・育休復帰時研修制度
・慶弔見舞金制度
・資格取得支援制度
・出産・結婚祝金制度
・帰省費用補助(単身者のみ)
・引越費用全額負担(転勤の場合)■新生活応援制度
・寮の初期費用、全額会社負担(敷金・礼金・更新手数料)
・転居費用全額会社負担(転居の場合)
・家賃会社負担(一部本人負担)
・家具付き物件も選択可能(即生活できる家具がすべて完備)勤務時間 9:00~18:00(実働8時間)
※就業先によって異なります。
※残業月平均5時間程度。残業代は全額支給。
メリハリをつけて働けます。休日・休暇 ★年間休日125日★
・完全週休2日制(土日休み)※配属先企業の会社カレンダーにより異なる場合があります。
・祝日休み
・年末年始休暇
・GW休暇
・夏季休暇
・慶弔休暇
・有給休暇(取得率100%)
・産前・産後休暇(取得率100%/復職実績あり)
・育児休暇(取得率100%/復職実績あり)
・介護休暇
◎5日以上の連続休暇の取得も可能です!引用元:マイナビ転職
大手企業で働く管理栄養士は、派遣であっても一般的な病院や給食委託会社勤務よりも…
といった点が働きやすいでしょう。
方法③:転職エージェントを活用する
「ネットで検索しても大手の求人を見つけられない」という方は、転職エージェントを活用するのがおすすめです。
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